トルコリラ円のスワップ運用はランド円でヘッジする


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こんにちは、分散型ライフのエンジです。

FXといえば裁量トレード以外にも金利差を利用したスワップ運用もメジャーな取引方法となります。むしろ新興国通貨の高スワップ(高金利)の魅力に惹かれてFXを始めた方が多いのではないでしょうか。

特にトルコリラ円に関しては2015年~2017年に掛けて取扱業者も増えてきましたし、取引量も年々増加傾向にあるとのことです。理由としては、トルコリラ円1万通貨で1日約80円~100円のスワップが得られるからです。

ですが新興国通貨であるが故、下落リスクもある程度想定しておかないと、いつかはロスカットの憂き目に遭ってしまいます。

今回はリスクが高い通貨でもあるトルコリラ円をヘッジする方法について考えてみたいと思います。

※今回のスワップ運用手法は筆者も実践しています。収支に関しては収支報告を参照して下さい。

トルコリラ円について

先程も述べましたが、FXではオセアニア通貨や新興国通貨によるスワップ運用が人気です。

南アフリカランド円についてはほとんどのFX業者で取扱いがあり、以前から人気のあるスワップ運用通貨でした。ですがここ数年で南アフリカランドに次ぐ新興国通貨としてトルコリラ円の取扱いが加速してきました。

トルコリラ円の1万通貨で1日約90円スワップの収益が得られます。

1万通貨は約30万円です。FXはレバレッジが効きますので、レバレッジ5倍程度として6万円で保有出来ます。

従って、6万円で1万通貨の買いポジションを保有すると、1ヶ月で2,700円、1年間で32,400円のスワップ収益が得られる計算となります。

ここまで見ると、とても魅力的な投資先に思えますが、トルコリラ円の下落リスクを加味しなければなりません。

トルコリラ円がどのような為替変動を経てきたのか、2007年~2017年の10年チャートで確認してみましょう。

70円~90円を推移していたトルコリラ円は、2008年のリーマンショックにより50円~60円に大幅下落しました。以降40円~55円のレンジで推移していましたが、レジスタンスラインが破られて20円台まで数年スパンで下落し、現在は30円で落ち着いています。

直近では、米国とトルコのビザ発給停止に伴い、31円から29円台に大きく下落したことが記憶に新しいです。

総括すると右肩下がりの通貨であるということです。

2007年の90円台にトルコリラ円を1万通貨保有していた方は、2017年現在、60万円の含み損を抱えていることになります。

トルコリラ円の見通しとしては三者三様ですが、今後下落するとしても下値は27円が目処であり、トルコリラ円は上昇していくだろうと予想されています。

このため、トルコリラ円でスワップ運用をするのであれば、下落に耐えうる証拠金を準備するか、他の通貨や金融商品でヘッジする必要があります。

南アフリカランド円について

続いて南アフリカランド円について見てみましょう。

どのような為替変動を経てきたのか、2007年~2017年の10年チャートで確認してみましょう。

トルコリラ円と同様に右肩下がりのチャートとなります。リーマンショックで15円~7円台に大幅下落を記録し、リバウンドして9円~12円までのレンジ相場でしたが、レジスタンスラインを割って6円台を推移した後に、現在は8円台前半となります。

新興国通貨は総じて右肩下がりの下落基調にあるということになります。例としてメキシコのペソ円も同様です。

トルコリラ円と南アフリカランド円の相関

それでは高いスワップ収益を享受しつつ、安全に運用するためにはどうしたらよいのでしょうか。

それは、新興国通貨は新興国通貨でヘッジするということです。

トルコリラ円と南アフリカランド円の関係性について見ていきましょう。

まずは相関係数です。

両通貨の相関係数を見ることで、経済危機等の急な相場変動でヘッジとして機能するか確認することが出来ます。相関係数については下記にまとめています。

[関連] 相関係数とは?投資のリスクを抑える考え方

直近3年間の相関係数は0.66、直近10年間の相関係数は0.77でした。従ってトルコリラ円と南アフリカランド円の相関性は高い傾向にあるということがわかりました。

(出典 : サヤトレLS )

それではチャートでも確認してみましょう。

2007年~2017年の10年間におけるトルコリラ/南アフリカランドのチャートです。

リーマンショックを経て全体としてはトルコリラに対して南アフリカランド高が続き、右肩下がりとなっています。2011年~2015年はレンジ相場であったと考えられます。

大凡3.0~7.0を推移していると読み取れます。

2007年~2017年の10年間における高値-安値の変動率を比較してみましょう。

■トルコリラ/南アフリカランド

高値7.48-安値3.42で、変動率は-54%。

■トルコリラ/円

高値99.93円-安値29.02円で、変動率は-71%。

■(参考)ユーロ/トルコリラ

高値4.2-安値1.65で、変動率は+61%。

※但し完全な右肩上がり。

上記のように変動率を考えてみると、トルコリラ円を保有するよりは新興国でヘッジすることで安定性が得られるということがわかりました。参考として、トルコリラは欧州圏のユーロとは相関性が高いですが、ユーロ/トルコリラは完全な右肩上がりの上昇トレンドで揉み合い相場がありませんでした。トルコリラ/南アフリカランドでは過去10年間においても、一方的なトレンド相場ではなく、レンジ相場も見られましたので、ユーロヘッジよりは安定していると思います。

スワップ運用は急な暴落に備えて3倍未満の低レバレッジが基本となりますが、トルコリラ円と南アフリカランド円を両建てすることで、3倍以上のレバレッジでも運用に支障をきたしにくいと思われます。

トルコリラ円と南アフリカランド円のボラティリティ

続いて相関関係を確認したところで、トルコリラ円と南アフリカ円をどのような比率で保有すればよいか検討したいと思います。

そこで両通貨のボラティリティ(通貨変動)を確認してみたいと思います。2014年~2017年10月現在までのボラティリティ合計値を下記の通り調べてみました。

(出典 : ヒロセ通商 ボラティリティ表 )

上記のボラティリティ値より、トルコリラ円の通貨変動は南アフリカランド円の2.76倍となることがわかりました。

このため、トルコリラ円が1万通貨に対して、南アフリカランド円を2.8万通貨、約1:3で保有すればボラティリティのバランスが取れると思います。

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ランド円ヘッジ時のスワップ収益は?

筆者は前述のボラティリティを考慮して、トルコリラ円に対して南アフリカランド円を3倍保有しています。つまり、トルコリラ円の1万通貨買いポジションに対して南アフリカランド円を3万通貨売りポジションでヘッジしています。

トルコリラ円と南アフリカランド円のスワップについて改めて確認してみましょう。

筆者がスワップ運用を行っているSBIFXのスワップポイントは下記となります。

(※スワップポイントは日々変動しますので、運用時は各自確認下さい)


■1万通貨あたりのスワップポイント

・トルコリラ円買いポジション : 92円

・南アフリカランド円売りポジション : 15円

■通貨量を1:3で保有する場合

・トルコリラ円スワップポイント : 92円

・南アフリカランド円スワップポイント : -45円

⇒ 1日あたりのスワップ収益 : 47円

■スワップ収益

・月間 : 47円×30日=1,410円

・年間 : 1,410円×12ヶ月=16,920円


次に1日47円のスワップ収益を目論む場合の必要投資金額です。

・トルコリラ円

 31円×1万通貨÷レバレッジ5倍 = 62,000円

・南アフリカランド円

 8.5円×3万通貨÷レバレッジ5倍 = 51,000円

⇒ 必要投資金額 : 約12万円

年利 : 16,920円÷12万円=14%


レバレッジはあくまでも目安です。レバレッジを上げれば投資効率が良くなります。ヘッジ有りですが、10倍以内には抑えた方が良いと思います。

年利を計算すると新興国通貨ならではの高収益が期待出来ますね。

ただし、トルコリラ円と南アフリカランド円のサヤが開いたり、FX業者のスワップポイントが増減するというリスクもあるので留意下さい。

まとめ

結論としてヘッジ込でも1日あたりのスワップ収益は47円得ることができ、年間で1万7千円で年利14%の収益が見込めます。

トルコリラ円を単独で保有するよりは安全にスワップ運用が出来ると考えられます。

ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

併せて以下のドルコスト平均法による積立FXもオススメです。

[関連] SBI FXトレードの積立FXでコツコツ外貨自動積立中!

以上、「トルコリラ円のスワップ運用はランド円でヘッジする」でした。

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