こんにちは、分散型ライフのエンジです。
今回はトレンドフォロー系のEAにトレーリングストップを設けてみました。
その結果、損益が改善されるのか検討してみたいと思います。
併せてトレーリングストップの説明もしていきます。
【関連】
トレーリングストップとは?
トレーリングストップとは、トレール注文とも呼ばれていて逆指値注文の一種となります。
ポジションを建てた後に、利益の取りこぼしが無いように逆指値を入れることがあります。トレーリングストップでは、この逆指値のストップ値をトレール(追尾)することが出来ます。どのようにトレールするかというと、為替レートがポジション方向に動く度にストップ値が切上がっていきます。
例えば、1ドル100円で買いポジションを持ち、逆指値を99.5円に設定すると仮定します。
ドル円のレートが逆指値に引っ掛からない範囲で上下を繰り返して、101円まで達したとします。すると、為替レートをトレールすることによって逆指値が100.5円に切上がります。通常の逆指値では99.5円のままですが、トレーリングストップを導入することで、100.5円まで切上がっているので、万が一相場が下落しても100.5円で決済されます。このため、利益の取りこぼしがなくなります。また、一度切上がった逆指値は切り下がることはありません。尚、現在値と逆指値の幅、すなわちトレール値幅は自由に設定することが出来ます。
小生の場合、FX裁量トレードはSBIFXトレードで設定してまして、FX自動売買ではFXトレードフィナンシャルで行っています。
EAにトレーリングストップを導入してみた
EAにトレーリングストップ注文のプログラムを記述してみました。
トレーリングストップの記述方法は以下の書籍を参考にしています。
FXメタトレーダー実践プログラミング (現代の錬金術師シリーズ)
[バックテストの設定値]
・2012年1月~2017年3月
・トレール幅を20に設定して検討してみました。
【トレーリングストップ導入前】
・ PF : 1.25
・ 最大ドローダウン : 4.11%
【トレーリングストップ導入後】
・ PF : 1.25
・ 最大ドローダウン : 3.72%
導入前後で最大ドローダウンが若干解消されました!
また、勝率が上がり、最大連敗数が減少したので精神衛生上良くなりました。
一方、純益と期待利得が若干悪化していますね。
ここでどちらのEAが収益性が良いか、リスクリターン率とペイオフレシオで比較してみます。
リスクリターン率
リスクリターン率は純損益を最大ドローダウンで除算したものとなります。
【導入前】 1876 ÷ 448 ≒ 4.19
【導入後】 1808 ÷ 400 ≒ 4.52
リスクリターン率はトレーリングストップを導入した後の方が勝っています。
ペイオフレシオ
ペイオフレシオは平均利益を平均損失で除算したものとなります。
また、勝率と併せて計算してみます。
【導入前】 (16.05 / 3.66)×(0.2214 / 0.7786) = 1.246 > 1
【導入後】 (12.42 / 3.64)×(0.2679 / 0.7321) = 1.248 > 1
僅かに値が向上しましたね。リスクリワードを示すペイオフレシオ単体は、トレーリングストップ導入によって下がっています。
まとめ
トレーリングストップを導入することで、利益の取りこぼしを防ぐことが出来るため、最大ドローダウンを抑えて収益性を上げることが狙える。
EAでは若干であるが収益性向上に貢献出来ました。
皆様もトレード時には、トレーリングストップを導入してみてはいかがでしょうか。
尚、トラリピにもトレール注文の設定欄があり、同様の仕組みで収益性が上がっていることが公式HPで報告されています。
以上、「【FX自動売買】EAにトレーリングストップ導入で損益改善?」でした。