こんにちは、分散型ライフのエンジです。
トラリピとはマネースクウェアジャパン(M2J)が提供している、FX発注管理機能の名称であり、FXにおけるメジャーな取引手法の1つとなります。
FXにおけるトレードスタイルは、時間軸によってスイングトレード、デイトレード、スキャルピングの三種類に分別されます。
そこでスイングトレードにトラリピを応用した損切有りの裁量トラリピの手法について検討してみます。
尚、トラリピの詳細な説明は下記の関連記事を参照下さい。
【関連】
スイングトレードとは
初めにスイングトレードに関してお話します。
スイングトレードでは、ポジションを持ってから決済に至るまでの期間が1週間~数ヶ月であり、基本的には週を跨いでもポジションを保有し続けることになります。
日足・週足・月足から長期トレンドを想定し、決済のタイミングを考えます。
短期的なデイトレードとは異なり、トレンドに追従することが出来れば利幅を大きく伸ばすことが出来るメリットがあります。
デメリットとしては、一定期間含み損が出ることによって心理的に不安定となる側面がある点や、週を跨ぐことから休場での突発的な地政学リスクの影響を受けたり、金融政策の変更、要人発言等による影響を免れるのが難しい点です。
しかし、ファンダメンタル要素による相場変動を経ながらも、トレンドさえ見誤らなければ、利益を大きく伸ばすことが出来ます。
始点(建値)と着地(利確)が間違っていなければ利益が出ますが、着地に至るまでの変動で利益を稼げたらより収益が上がると思いませんか。
この「相場変動」に【トラリピ】を応用することによって収益性を上げるということです。
損切有りの裁量トラリピ
トラリピの原理については、マネースクウェアジャパンによるトラリピの商品紹介ページに解かりやすい詳細が書かれていますので、そちらに委ねることにします。
トラリピの基本的な戦略は
- レンジを想定する
- 損切しない。最大ドローダウンが生じても耐えられるような資金力を確保する。
ですが、基本的戦略に逆行する形で「トレンドを想定」「損切有り」としてスイングトレードに応用します。
トレードをする際には必ず損切ポイントを設ける必要があります。
このため、トラリピでも損切有りとしています。
スイングトレードに応用したトラリピを個人的に裁量トラリピと名付けています。
なるべく相場が揉んでくれた方がトラリピのシステムで利益確定サイクルが回転しますので、収益が上がります。
ですので、急峻な動きで利確ポイントに達した場合は、通常取引と比べると利益確定金額が見劣りする事が弱点となります。
収益性の検討
ここで収益性に関して、想定リスクと最小利益について検討してみます。
最大利益についてはトラリピが回転すればどんどん利益確定しますので、未知数となります。
ポジションについては仮に以下とします。
- 米ドル/円で通貨量は合計で1万通貨とする。
- 1ドル100円から買いポジションを持つものとする。
- 利確 : 103円 損切 : 97円とする。
- トラリピは2,000通貨1円刻みで買いポジションを持つ。
- トラリピの利確幅は1円とする。
ポジションを表に示すと以下のようになります。
表1 ポジション一覧
為替相場 | 通常取引 | トラリピ |
103円 | ||
102円 | 2,000通貨 | |
101円 | 2,000通貨 | |
100円 | 10,000通貨 | 2,000通貨 |
99円 | 2,000通貨 | |
98円 | 2,000通貨 | |
97円 |
ここで損切に至る、想定リスクについて検討してみます。
(リスク想定)一気に損切ポイントに到達した場合
表2 損益一覧
(※トラリピは各為替相場時点での含み損を示してます)
為替相場 | 通常取引 | トラリピ |
103円 | – | – |
102円 | – | – |
101円 | – | – |
100円 | (建値) | 0円 |
99円 | – | -2,000円 |
98円 | – | -6,000円 |
97円 | -30,000円 | -12,000円 |
一気に損切ポイントに達した場合、通常取引は-30,000円に対して、トラリピは-12,000円に抑えることが出来ました。
(リスク想定)102円で折り返して損切ポイントに到達した場合
表3 損益一覧
(※トラリピは各為替相場時点での含み益/含み損を示してます)
為替相場 | 通常取引 | トラリピ |
103円 | – | – |
102円 | – | 4,000円 |
101円 | – | 2,000円 |
100円 | (建値) | -2,000円 |
99円 | – | -8,000円 |
98円 | – | -16,000円 |
97円 | -30,000円 | -26,000円 |
最大ドローダウンでも、通常取引は-30,000円に対して、トラリピは-26,000円に抑えることが出来ました。
次にトラリピの最小利益について検討します。
(最小利益)一気に利確ポイントに到達した場合
表3 損益一覧
(※トラリピは各為替相場時点での含み益を示してます)
為替相場 | 通常取引 | トラリピ |
103円 | 30,000円 | 6,000円 |
102円 | – | 4,000円 |
101円 | – | 2,000円 |
100円 | (建値) | – |
99円 | – | – |
98円 | – | – |
97円 | – | – |
先程も申したように、急峻な動きで利確ポイントに達した場合は、通常取引と比べると利益確定金額が見劣りします。
しかし、相場は上下を繰り返しながら推移しますので、トラリピの回転による収益の積み上げが期待出来ます。
まとめ
・スイングトレードにおける通常の取引では、利幅が期待出来るが、損失も大きい。
・トラリピでは相場の上下を捉えて利益を積み重ねる事で収益を上げる事が出来る。
・トラリピでは通常取引に比べて損失を抑える事が出来る。
・急峻な動きで利確ポイントに達した場合は、トラリピの収益性は見劣りしてしまう。
以下よりトラリピを開設をすることで裁量トラリピが実現可能です。
以上、【スイングトレードは損切有りの裁量トラリピで収益性を上げる】でした。