こんばんは、分散型ライフのエンジです。
投資における確率論として、「バルサラの破産確率」って耳にしたことはありませんか?
FX自動売買でEAを稼働させている方、FX裁量トレードに取り組んでいる方で、トレードの安全性について確率的評価を下すことが出来るのが、バルサラの破産確率となります。
計算を行う上で、ペイオフレシオという指標を用います。
バルサラの破産確率と併せてペイオフレシオを覚えておくと今後のトレードに役立つかと思われます。
【関連】
「ペイオフレシオ」や「リスクリターン率」でEAやトレードの収益性を評価する
バルサラの破産確率とは?
ナウザーバルサラという数学者が考案した確率論となります。
トレードを無限回試行した際に破産する確率をまとめたのが「バルサラの破産確率」と呼ばれています。破産確率の原理を解説しているページがあります。理論的な所から理解したい方は参照してみて下さい。尚、破産確率の導出は比較的簡単に行えます。
また今回の破産確率の算出は下記ページも参考にしています。
導出方法は?
バルサラの破産確率の導出は、下記の3点から算出することが出来ます。尚、EAであればバックテストの結果を使用して計算が出来ます。
1.勝率(p(0<p<1))
2.ペイオフレシオ(r)
3.リスクにさらす資産の割合(E)
今回使用するバックテストは以下となります。
これを例として、計算過程を示していきます。
尚、EAのバックテストの見方については以下の記事を参照して下さい。
【FX自動売買】EAバックテストの見方は?EAの評価方法は?
勝率の求め方
勝率はバックテストの「勝率」項目からそのまま引用してきます。
今回の場合は勝率が38.29%であるため、勝率 P =0.3829となります。
ペイオフレシオの求め方
ペイオフレシオとは、勝ちトレードの平均値:W(win)と負けトレードの平均値:L(lose)から算出します。
計算方法は、ペイオフレシオ r = W / Lとなります。
バックテストの結果から引用してみます。
・勝ちトレードの平均値 : W = 5.38
・負けトレードの平均値 : L = 2.75
・ペイオフレシオ r = 5.38/2.75 ≒ 1.96
ペイオフレシオを算出してみました。
リスクにさらす資産の割合
1回のトレード時における手持ち資金をn、起こり得る損失をLとすると、
リスクにさらす資産の割合 : E = L / n となります。
今までと同様にバックテストから引用します。尚、損失は最大損失を適用しました。
・資金n : 初期証拠金 10,000
・損失L : -3.32
・E = 3.32 / 10,000 = 0.000332
バルサラの破産確率計算
以上で3つの指標が出揃いましたので、実際にバルサラの破産確率を求めてみます。
巷ではバルサラの破産確率表が出回っていますが、リスクにさらす資産の割合(E)が考慮されておらず、間違った結果となります。
以下のページで数値を入力するだけで算出できますので、計算してみましょう。
今回用いる数値は、
・ 勝率 P = 0.3829
・ ペイオフレシオ r = 1.96
・リスクにさらす資産の割合 : E = 0.000332
計算結果は、0.000%となりました!
このため、当該EAのロジックは破産確率が0という評価になりました。
但し、Lot数固定の単利運用であるため、トレード回数を重ねると損益により手持ち資産が増減しますので、リスクにさらす資産の割合(E)が常に変化します。このため、頃合いを見計らって都度計算する必要があります。
一方、複利運用ではEが一定となるため一度の計算だけで済みます。
ぜひ、運用しているFX自動売買のEAや裁量トレードにおける破産確率を求めてみて、トレードの安全性を評価してみてはいかがでしょうか。
以上、「バルサラの破産確率でEAやトレードの安全性を評価する」でした。