こんばんは、分散型ライフのエンジです。
FXを始めてかれこれ4年が経過しようとしていますが、手法の確立ってなかなか難しいです。というのも「この手法はいける!」と思って取り組んでみると、1ヶ月~2ヶ月は調子良かったがそれ以降はさっぱりだったり、ファンダメンタルズに大きく左右されて損失を計上してしまったりしていました。
手法を編み出しては、検証→改善→検証→取り止めのサイクルが続いており、勝ち続けるということが如何に難しいかということを実感せざる負えません。
[昨年度の小生の手法例]
1年~2年目の頃はテクニカルに拘っていました。例えば「ボリンジャーバンド+2σをローソク足終値で越えて尚且つRSIが70以上で売り!」とか色々やってました。
テクニカルはMT4を用いたシステムトレードで複雑に売買条件を組み合わせて(笑)なんとか利益を得ようと目論んでいます。システムで機械的にトレードしていても利益の確保は難しいので、裁量トレードでは盲目的にテクニカルに拘り過ぎずに別の視点を持つ必要があると思っていました。
そして今年度から株式投資を始めてみました。
株式投資のデイトレードではテクニカルよりも出来高や板情報が結構重要となります。スイングトレードでは企業の成長性や財務諸表を読み解く必要がありますが。
そこでFX裁量トレードで出来高を応用できないかと思ったんですね。
FX関連のサイトでは、デイトレードの手法としてチャートパターンやテクニカル指標、経済指標が取り上げられていますが、出来高ってあまり意識されていないような気がします。
最近は出来高を意識したトレードを心掛け、徐々に結果を残せるようになり、有用性がありそうだと思ったので記事にしてみました。
[関連] 【FX自動売買】EAに出来高(Volumes)を適用したらPF2.0越えに!?
ちなみに板情報に関しては、昨年の手法でOANDAのオーダー状況を利用したトレードを行っていましたが、なかなか思うようにいきませんでした。
出来高を意識する理由
前述したように、株式投資では出来高を重視します。
出来高とは株式の売買株数を表します。出来高が多い方が活発な取引が行われていることがわかります。
例として[6861]キーエンスのチャートを下記に示します。出来高はチャート画面の下に表示されています。
寄付きや大引け時には活発な取引が行われていることがチャートから視覚的にわかります。
では出来高をどのように応用するのでしょうか。
FX裁量トレードでは主に4種類の活用方法があると考えられます。
ブレイクアウト
1つ目は抵抗線や支持線のブレイクアウトの判断に利用します。
例えばローソク足が抵抗線付近に推移している時に出来高に目を移します。
十分な出来高があれば、抵抗線の攻防を経てブレイクアウトする可能性が高いと考えられます。逆に出来高が少なければ抵抗線を突破出来る程のエネルギーが無いことがわかります。
また、出来高が時間の経過とともに増加してる場合はブレイクを考慮すると良いかもしれません。
トレンドフォロー
2つ目はトレンドフォローの判断に利用します。
例えば移動平均線がゴールデンクロスして上昇トレンドを形成しているとします。
トレンド開始時から出来高が大きく減少することなく順調に推移している場合は、トレンドの継続が考えられますので押し目買い戦略として使えます。
逆に出来高が減少してきている場合は、トレンド継続のエネルギーが弱まっていると捉えて、ポジションの利確をしたりトレンドフォローの見送りが考えられます。
ダマシの回避
3つ目はダマシの回避に利用します。
出来高が少ないのに急騰・急落した場合には所謂「ダマシ」の可能性が高いため、トレンドフォローせずに一旦様子を見るといった行動が取れます。ダマシを回避できれば損益改善に繋がると思います。
レンジの判断
4つ目はレンジの判断に使用します。
トレンド時に比べて出来高が少なく、一定量の出来高で推移している時はレンジであると判断できそうです。この場合は出来高に水平線を引いたり出来高移動平均線を組み入れることで視覚的に分かりやすくなると思います。
水平線を用いてチャート分析する場合に、一定期間の高値安値で水平線を引いて、出来高を監視すれば応用できそうです。
また、テクニカルを用いる場合はボリンジャーバンド±3σの逆張りトレードにも相性が合うかと思います。
以上のように「出来高」を意識するだけで、トレードに優位性を持たせることができます。
FXで出来高を見る方法
株式投資では売買株数による出来高をチャートで確認することができますが、FXでは売買数を確認することができません。
それは、株式投資は東京証券取引所やNY証券取引所といった市場取引がメインですが、FXは相対取引がメインとなるからです。
FXでは「くりっく365」が市場取引で「店頭FX」が相対取引となります。
DMMFXやSBIFXといった代表的なFX業者は取引所経由ではなく、FX業者とトレーダーとの直接売買となります。
このため、市場外取引が大半を占めることから為替においては正確に出来高のデータを積み上げることができません。
ですが出来高の変わりとなるようなデータがあります。
それはティックを用いたティックボリュームを用います。
ティックとは価格が変動した回数を示しており、株式投資の出来高に相当します。
以下にMT4のチャートソフトのティックボリュームの表示方法を示します。
MT4に関しては以下の記事を参照下さい。
MT4の出来高(Volumes)表示設定
MT4を立ち上げてナビゲータウィンドウのインディケーターからボリュームのタブを開きます。ボリュームタブ内の「Volumes」を選択してチャートに表示します。
すると以下のようにチャート画面の下にティックボリュームが表示されるようになります。
小生は色の設定を変えていますが、1時間足表示にて水色線が1本前より出来高が上昇、桃色線が1本前より出来高が下降していることを示しています。
定量的に把握したい場合は、ウィンドウ内に目標値となる箇所に水平線を引いてあげることで、出来高の増減が視覚的に分かりやすくなります。
まとめ
出来高というのは市場の活発さを素直に示しており、トレードにおいては重要な要素になり得ると思います。しかし、FXでは店頭取引であることから出来高の扱いに馴染みが無く、チャートパターンやテクニカル指標に拘りがちです。そこでティック数の変動を出来高として捉えて、為替市場のエネルギーを視覚的に見れれば優位に裁量トレードを取り組めると思います。
株の億トレーダーは良く耳にしますが、FXはあまり聞きませんよね。もしかすると出来高や板情報といった判断材料が豊富であることが大きく影響しているのでしょうか。
(FXは取引通貨量が多くなるとスプレッド負けしやすくなるという理由もあるみたいですが)
出来高を取り入れてみて、もし損益改善に繋がりましたらコメント頂けると幸いです。
以上、「FX裁量トレードの手法のカギは「出来高」」でした。