こんばんは、分散型ライフのエンジです。
FXトレードを行っていると「何か必勝法はないだろうか」と手法探しに翻弄されるかと思います。
著名なFXトレーダーの書籍やブログ、動画を見て手法を勉強しようとするも、一度は下記のように思ったことはありませんか。
「チャートパターンとか相場観の話は大体分かったから、もっと具体的な方法を知りたい!」
小生は何度もあります。
結局、概念的な話が多くて読んで勉強した気になって終わることが多々あります。
「ドル円のテクニカル指標が○○の時に利確△△pipsの損切●●pipsで買いポジションを持てば勝てる!」といった具体的な内容を知りたいのだが・・・。
最近思うのですが、FXでコンスタントに収益を上げているトレーダーは具体的に説明したくても恐らく出来ないと思います。
というのも最終的には本人の感覚だからです。
「テクニカル指標が云々かんぬんではなくて、エントリーするのは相場の状況次第であって、相場の見方なら教えられるけれども・・・」といった具合です。
教えるのが惜しいから・・・といった理由も少なからずあるかもしれませんが、それが主ではありません。(むしろ市場参加者が多い方が儲かるチャンスが増えます。ギャンブルのようにオッズが変動するわけではないので)
だから書籍をいくら読み漁っても具体的な手法は得られないのです。
FXトレーダーの9割は手法に拘りすぎて負け越し、残り1割のトレーダーは感覚で勝っているということです。
小生も大口を叩ける身ではありませんが、1割の勝ちトレーダーになるべく、この点について掘り下げて書いていきたいと思います。
Contents
テクニカルのみでは難しい
FXはテクニカルのみでは勝ち続けるのは難しいと思っています。
そうは言っても、有名なトレーダーはボリンジャーバンドやMACDとかテクニカル使っていますよね。
どういうことかというと、テクニカルをメインに売買を行うのではなくて判断材料として利用しているのです。
「移動平均線がゴールデンクロスしたから買い!デッドクロスしたから売り!」
ではなくて、
「移動平均線がゴールデンクロスしたから買い方向だな」
といった具合に、売買の方向性を判断する補助ツールとして使っています。
勝ちトレーダーと負けトレーダーでは、テクニカルに対する捉え方が異なるのです。
ではテクニカルのサインのみの売買では勝てないのでしょうか。
まず、FXの基本知識として学んだ以下のような売買サインのみでは勝ち続けることは出来ません。
・移動平均線のクロス
・移動平均線クロス+MACDクロス
・パーフェクトオーダー
・ボリンジャーバンド±3σ逆張り+RSI
・移動平均線乖離率で逆張り
・一目均衡表で順張り、逆張り
など・・・・
何故そう言い切れるのでしょうか。
人間ではなく、売買サインに忠実に従うような機械的トレードで検証することが出来ます。
具体的にはMT4を用いたシステムトレードです。
実際にプログラミングしてやってみると分かると思います。検証結果などウェブ上で掲載されているページがあるので検索してみて下さい。結果として上記のようなテクニカルの売買サインだけでは勝てません。
[関連] : 不労所得!?これでFX自動売買が始められます。
テクニカルのみでは難しいと言っておきながら、小生はMT4を用いてEAと呼ばれる売買プログラムを作成し、システムトレードを稼働させています。売買に色々な条件を設ければテクニカルのみで勝てるかもしれないと期待して作成しております。
実際には人間では瞬時に判断するのは到底無理とも言えるような、複雑な売買条件のプログラムを組んでいます。
プログラムの売買条件の一例です。
以下の条件を全て満たした上で買いポジションを持ちます。
・移動平均線がゴールデンクロスしていること。
・移動平均線に1回タッチして下からローソク足が移動平均線を突き抜けて終値で移動平均線を超えていること。
・直近高値を更新していること。
・移動平均線の値が数本前より増加していること。
・RSIがとある範囲内であること。
ちなみにこのEAでプロフィットファクタ(利益/損失)が1.5程度です。
このことから、チャート画面に張り付いて単純に「MACDゴールデンクロスで買い!」というようなトレードでは勝つことは難しいと言えます。
※※※
そもそもウォール街の証券・為替トレーダーを高給で雇入れている理由を考えてみて下さい。
システムトレードで勝ち続けられるのであれば、トレーダーは不要ですよね。
これだけ情報産業が発達した昨今でも、人間の感覚、すなわち裁量トレードでないと継続的に収益を生み出せていないということです。
もちろん高度なアルゴリズムを使ったトレードが為替相場にて見られることが多々あります。例えばトランプ大統領選挙直後のドル円がそうですね。
押し目待ちに押し目無しでドル円が一本調子で円安方向に上がり続けました。
しかしアルゴリズムと言えども、どんな相場でも対応出来るわけではありません。人間の判断にて相場環境に合わせてシステムを入れ替えていることでしょう。
※※※
将来的にはAIで注目されているディープラーニングが発達すればシステムのみで勝てると推測されるかもしれませんが、AI vs AI の状態では相場環境がガラッと変わって逆に収益を上げるのが難しくなりそうだと思っています。
需給やファンダメンタルの分析
オーダー状況(株では板情報)、アセットアプローチによる為替予想、経済指標の予測、株価指数や先物の市況からトレードを判断することで収益を得ることは可能なのでしょうか。
オーダー状況
まずはオーダー状況について考えてみます。
例としてOANDAが提供しているFXのオーダー状況を載せてみます。
このオーダー状況を見ると、直近の目安としてラウンドナンバーの111円に買いオーダー、111.4円や112円に売りオーダーが集中していることがわかります。この情報を基にして112円で売りポジション利確111円、損切112.5円とIFDOCO注文を入れるとします。
ところがそう上手くいかないのが為替相場です。
トランプ大統領選挙後の相場のような上昇トレンドで112円をいとも簡単に踏み上げて損切に達するかもしれませんし、112円のオプションの攻防で111.98円で上昇が止まって、指値に引っ掛かることなく下降トレンドに移行するかもしれません。
オーダー状況だけで収益を得るのは難しいと思います。
アセットアプローチ
次にアセットアプローチによる為替予想について取り挙げてみます。
アセットアプローチとは、金融資産に対する需給の均衡から為替レートを決定するという考えに基づいた理論です。
米ドルの金利が3%で、円の金利が0.5%と仮定すると、投資家は金利が高い米ドルに投資するものと考えられます。
この場合だと円売りドル買い圧力が起こり、金利差である2.5%分、為替レートが円安方向に変動すると考えられます。
アセットアプローチ理論では、米ドル資産と円資産の期待収益率が一致するまで為替が変動するということです。しかし、資本収支に着目した有用性がある理論ですが、地政学リスクやカントリーリスクが考慮されていません。このため、金利差による需給関係だけでは為替予想を占うのは難しいといえます。
詳細は購買力平価やアセットアプローチの詳細については下記記事を参照下さい。
[関連] 為替レート決定理論のアセットアプローチで為替予想は可能か?
経済指標トレード
次に経済指標の予測或いは結果に追従するトレード方法です。
毎月発表される米国の雇用統計はお祭りの如く為替市場が盛り上がり、大きなボラティリティを生み出します。実際にトレードしたことがある方は御存じだと思いますが、経済指標に基づくトレードはハイリスクハイリターンです。
何故ならば、指標が市場の予想通りでポジションの方向性が合っていたとしても「材料出尽くしによる売り」によって予想に反してレートが推移したり、予想が外れれば「失望感による売り」といった形で大きな損失を計上してしまいます。レートの動向を推測するのは難解です。
このため、経済指標でコンスタントに収益を得るのはプロでも難しいと思います。
株価指数・先物
株価指数といえば、日経平均株価やNYダウ、ドイツDAX、上海総合指数、FTSE100等があります。先物は日経平均先物といった株価指数だったり、WTI原油、コモディティですね。
他に相対的な通貨の強さを示す、通貨インデックスというのもあります。代表的なドルインデックスやユーロインデックス、円インデックスですね。
「日経平均が上昇、NYダウも上昇、ドルインデックス上昇なのでドル円買い」といったトレード手法です。有用性があり小生も活用していますが、これだけでは良い結果は得られません。
感覚によるトレードとは
ここまで、テクニカルやファンダメンタル単体のトレードを考えていたため、両者を組み合わせて複合的にトレードすれば勝てるのでは?と思いますよね。
テクニカル+ファンダメンタルを分析出来れば、トレードで勝てる可能性が上がります。
「今日は重要な経済指標は無し、株価指数や先物も良好、移動平均線がゴールデンクロスして出来高も十分、今日は買い方向だ」
これでポジションの方向性が決まりました。後は何が必要でしょうか?
「さてどこで買いポジションを持とうか・・・」
「利確はどこにしようか?直近高値?日足のレジスタンスライン?ボリンジャーバンド上限?」
ここで感覚が必要となってきます。
そうです、手法は定まっていないのです。
冒頭で述べた「相場の状況次第」というのはこういうことです。
チャートの動きや異変に気付く
トレードで生活されている方は、デスク周りの環境としてマルチモニターを使用している方が多くいらっしゃいます。
皆さん複数のディスプレイで何を見ているのでしょうか。
全体を俯瞰して相場に異変が生じていないかキャッチしているのです。
(マルチディスプレイ格好良い!ではなく・・・)
株式投資で言えば、急に出来高が上昇して目まぐるしく変化する株価や板情報を見て、同セクター内で出遅れている監視銘柄を見つ出し、連れ高を狙ったトレードを行ったりしますよね。
ローソク足の挙動を見ているだけでも、今までの経験を踏まえて今後のレートの動きがある程度予想が出来るんです。
例えば100円のラウンドナンバー付近であれば、「これは一旦99.98円くらいに付けてそこから100.10円に戻しそうな動きしているな」と感覚で捉える事が出来ます。
しかし、100円のラウンドナンバーは99.98円に指値注文入れておけば勝てるという手法ではないんです。ローソク足の動きをみて何となくわかるんです。感覚です。
他に値動きやチャートパターンからも感覚で予想出来ます。
「このチャートの形、下ヒゲが数本出ている、この出来高、この値動き、今日は買い方向だから今がポジションを建てるチャンス!経験上、利確は大体この辺り」
といった具合です。
よく利確と損切は何pipsにしてますか?という質問を受けます。
「損小利大は意識するけれども、相場の状況で判断する」と回答してます。
つまりは感覚ですね。
FXで勝つためには
ここまでの話で、テクニカルや手法に拘るだけでは勝ちにくいということが伝わりましたでしょうか。
FXで勝てるようになるには、感覚を磨くことです。
まず、チャート画面から全てのインジケーターを外してローソク足と向き合ってみて下さい。
ローソク足の挙動とチャートパターンが身に染み込むくらい日々チャート画面を見ることが大切だと思います。
特にFX初心者の方は、移動平均線やRSIなどのテクニカル指標に拘っていても長期的に勝つのは難しいということを理解して下さい。
9割のFXトレーダーは手法や聖杯に頼りきりだと思います。
この感覚を身に着ける過程を経ることで、1割の勝ちトレーダーになれると思っています。
少しでも参考になれば幸いです。
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以上、「FXは9割の人が「手法」に拘って負けて1割の人が「感覚」で勝つ」でした。