こんばんは、分散型ライフのエンジです。
投資の世界で時々耳にする相関係数というものはご存知でしょうか。
例えば証券Aと証券Bの両方を保有することで、片張りによる下落リスクを抑えて安定的な運用を目指すサヤ取りという手法に用いられます。
株価指数CFD取引ではNYダウ買いの日経平均売りといった感じですね。
そこで両者の関係性を評価する指標が相関係数となります。
今回は相関係数についてお話していきます。
相関係数とは?
相関係数とは変数間の関係性を示す尺度となります。
この変数というのは例えば株式や為替ですね。
ポートフォリオを組む際には、リスクヘッジを行うために相関係数を考慮する必要があります。例えばNYダウ買いと日経平均買いのペアでは、世界恐慌時に両者とも大幅下落による損失が考えられますが、NYダウ買いと日経平均売りならリスクヘッジとなりそうですね。
株価指数以外にも個別銘柄の組み合わせや、ユーロ円買いポンド円売りといった通貨ペアも考えられます。
それでは相関係数とはどういった値を取るのでしょうか。
両者の相関性は相関係数で判断し、係数は-1から+1の値を取ります。
正の相関である場合は、+1に近いほど似たような動きで推移します。
負の相関(逆相関)である場合は、-1に近いほど真逆の動きで推移します。
つまり、両者が逆相関であれば相場の変動に左右されずに安定して運用益を出す事が出来ると想定出来ます。但し、通貨や証券の差額(サヤ)が開いてしまう場合もありますので、必ずしも安定しているというわけではありません。ですが、ドル円のみやトヨタ株のみといった片張りよりはリスクを抑える事が出来ると言えます。
システムトレードでも応用出来ます。上記の考え方を応用すると、トレンドフォロー型とブレイク型は相関係数が+1寄りになりそうですね。トレンドフォロー型とレンジ型は-1~0の間と推測されます。出来るだけ逆相関のEAや相関が低いEAを選択して組み合わせると、複数のEAが同時に損失を計上する可能性が下がりますので、最大ドローダウンを抑えることが出来ます。詳細は下記記事より参照出来ます。
実際に相関係数を調べる際には「通貨 相関係数」「株 相関係数」と検索すると証券会社のページや個人サイトで公表しているページに辿り着けますので、情報を入手することが出来ます。また、ExcelでCORREL関数を用いれば自由に組み合わせて相関係数を求めることが出来ます。
相関係数を用いてポートフォリオの分散を求める
相関係数を用いることによって、証券や通貨ペアの分散を求めることが出来ます。数学的に相関係数がポートフォリオにどのように及ぼすのか見ていきたいと思います。
※分散とはリスクを測る尺度で、バラツキが大きい程リスクが高いと言えます。詳細は下記より参照出来ます。
例えば、証券Aと証券Bを組み合わせたポートフォリオで運用の安定化を図るとします。分散を求める上で、下記のように変数を割り当てます。
WA : 証券Aの保有割合
WB : 証券Bの保有割合
σA : 証券Aの分散
σB : 証券Bの分散
ρA,B : 証券Aと証券Bの相関係数
変数を用いてポートフォリオの分散σp2を求めると、
σp2 = WA2σA2 + WB2σB2+2 WA WB ρA,B σA σB となります。
従って、相関係数ρA,Bが-1に近いほどポートフォリオの分散σp2が小さくなるので、逆相関のペアがリスクヘッジに向いているということが数学的にわかります。
また、相関係数は共分散から求めることが出来ます。
共分散とは2変数間の関係性を示すものですが、変数の大きさや単位によって値が変わるという欠点があります。そこで、共分散を基準化して欠点を取り除いたものが相関係数となります。
AとBの相関係数 = AとBの共分散/(Aの標準偏差×Bの標準偏差) で算出できます。
まとめ
相関係数について触れてみました。投資を行う際にはリスクヘッジを考慮してなるべく片張りを避けて複数の通貨や銘柄で構成する必要があります。この時に活躍するのが相関係数となります。数学的にも逆相関の組み合わせはリスクが抑えられる事がわかりました。実際に相関係数を用いる際には証券会社のページ等から情報を入手して、ポートフォリオを考えてみましょう。
◆分散投資やポートフォリオについて
◆FXの通貨ペアによる相関関係の検討は下記を参照下さい。
【FX】FXのサヤ取り簡易シミュレーションソフトを作ってみた
◆今回の記事は以下の証券アナリストの数学入門を参考にさせて頂きました。投資の収益率やリスク、ポートフォリオの計算について勉強することが出来ます。株式投資や投資信託に応用出来ます。
以上、「相関係数とは?投資のリスクを抑える考え方」でした。