こんにちは、分散型ライフのエンジです。
株価指数CFD取引では、日経平均、NYダウ、英国のFTSE100、ドイツのDAXなどの世界を代表する株価指数に対してFXのように証拠金取引が行えます。
そしてCFD取引は株価指数に投資するため、個別銘柄の投資に比べてリスク分散を図れる点と年利10%超えの高配当である点が魅力的となります。
ですがCFD取引もFXと同様に、レバレッジを効かせた取引であるが故、下落リスクによる損失や最悪ロスカットに至ってしまう場合があります。
そこでFTSE100をDAX売りでヘッジ、つまりFTSE100とDAXの両建てとすることでリスクを低減しつつ、配当金(配当相当額)を享受する方法を実践してみましたので紹介します。
尚、CFD取引の詳細については下記でまとめています。
FTSE100とは
まずはFTSE100の概要です。
イギリスのFTSE100では、ロンドン証券取引所に上場する100銘柄の株価を基に指数を算出しています。主に金融業の構成比が高く、次点で生活必需品となっています。BPやロイヤルダッチシェルをはじめとする著名なエネルギー関連企業も割合が高いです。イギリスは北海油田を保有しているので、石油産出量の世界ランキングにおいても上位に位置しています。FTSE100の構成銘柄はイギリス企業のみならず、国外の企業も多数含まれています。それはロンドン証券市場がいち早くグローバル化に向けて、オープンな市場としたため、世界中の企業が資金調達を目論んで、ロンドン市場に上場しているからです。
参考としてWikipediaでFTSE100の構成銘柄を見ることが出来ます。
(構成銘柄 : Wikipedia FTSE100 )
1980年~2017年に至るFTSE100のチャートを見てみましょう。
リーマンショック等の世界経済混迷期には大きな下落を記録するものの、安値切り上げ高値更新の形で右肩上がりで株価指数が上昇しています。
DAXとは
続いてDAXの概要です。
DAX指数とはドイツ証券取引所が運営しているフランクフルト証券取引所に上場されている銘柄の内、ドイツ企業の優良30銘柄で構成された株価指数となります。
アディダス・フォルクスワーゲン・ダイムラー・シーメンスといった一度は耳にしたことはある著名な企業が株価指数に組み込まれています。
ドイツはヨーロッパの中でも経済規模が最も大きく、前述のFTSE100と並んで世界経済を推し量る代表的な指数となります。ユーロ圏の株式に投資する際にはDAXのCFD取引が利用されます。
参考としてWikipediaでDAX指数の構成銘柄を見ることが出来ます。
(構成銘柄 : Wikipedia DAX指数 )
1990年~2017年に至るDAX指数のチャートを見てみましょう。
FTSE100とチャートの形が似ていますね。安値切り上げ高値更新の形で右肩上がりで株価指数が上昇しています。
FTSE100とDAXの相関について
2002年~2017年におけるFTSE100とDAXの相関チャートとなります。
青線がDAXです。DAXは配当込みでチャートが形成されているため、値上がり幅が大きく見える点に留意下さい。両者の値動きを見ると比較的相関性が高いと読み取れます。
直近3年間の相関係数は0.72となります。(出典 : サヤトレLS)
また、相関係数について下記記事を参照下さい。
[関連] 相関係数とは?投資のリスクを抑える考え方
過去15年間においてサヤが最も開いている状態ですので、FTSE100買いとDAX売りのポジションは持ちやすいかと思います。
配当相当額と金利相当額について
配当相当額と金利相当額について確認していきましょう。
・配当相当額は買いポジションで受取り、売りポジションで支払い。
・金利相当額は買いポジションで支払い、売りポジションで受取り。
以下にFTSE100とDAXの配当相当額および金利相当額について掲載しています。
FTSE100買い・DAX売りであれば、年間29,640円(見込み)受取り、金利相当額の授受は0円となります。DAXは配当相当額の授受はありません。
つまり両建てポジションを1年間保有で年間2万円強を受け取れるということです。
FTSE100の配当相当額・金利相当額はM2Jマネースクウェアジャパンの公式ページより以下となります。
(出典 : M2J マネースクウェアジャパン)
続いてDAXの金利相当額はM2Jマネースクウェアジャパンの公式ページより以下となります。
尚、DAXは配当込みの株価指数のため、配当相当額の授受はありません。
(出典 : M2J マネースクウェアジャパン)
FTSE100買い、DAX売りの優位性
FTSE100とDAXは相関性があり、FTSE100は配当相当額が受け取れるので、FTSE100買い・DAX売りはヘッジとなり有利である。
以上のように説明してきましたが、ここで1つ疑問に思われた方もいらっしゃるかと思います。
「DAXは配当込みの株価指数だけど実質利回りはどのくらいなんだろう?FTSE100の利回りと比較して本当にヘッジになっているのか?」
安心して下さい。
FTSE100の配当利回りは約4%、DAXの配当利回り約3%弱となります。
従って、FTSE100買い・DAX売りは必然的に約1%の配当利回りの差で優位性があります。
また、前述の通りFTSE100は100銘柄、DAXは主要30銘柄で構成されています。
つまりDAXの場合は、30社中1社でも不祥事や経営悪化で株価が急落すると、DAX指数に大きな影響を及ぼします。一方、FTSE100は100銘柄に分散されているので、急落リスクが低いです。分散投資の効果については下記記事で詳細に説明しています。
[関連] 投資リスクを抑えるコツである「β値」と「分散投資」とは?
分散効果の例として米国のS&P500とNYダウの例で検証してみましょう。
S&P500は名称通り500銘柄で構成されています。NYダウは米国市場の代表的な30社で構成されています。
下記に直近5年間のチャートを示します。ローソク足がS&P500、紫線がNYダウとなります。
NYダウに対してS&P500の方が上位に推移していて、NYダウよりもパフォーマンスが良いことが読み取れます。2015年にはどちらも大きなドローダウンを記録したことがわかります。
そこで、NYダウとS&P500の最大ドローダウンを比較してみました。
(上記Investing.comのストリーミングチャートで高値安値を表示して算出してます。)
NYダウ : 高値18351-安値15370 変動率: -16%
S&P500 : 高値2134-安値1810 変動率: -15%
従って、S&P500の方がNYダウよりもパフォーマンスが良く、更に最大ドローダウンも低いことがわかります。
これを当てはめれば、FTSE100はDAXよりも急落を抑えられると言えそうです。
以上より、配当利回りの差と分散効果によりFTSE100買い・DAX売りの優位性は十分にあると考えられます。
保有ポジション(2017年10月現在)
筆者もFTSE100とDAXの両建てを実践しています。
当初はFTSE100を単独で保有するつもりでしたが、FTSE100が高値圏で膠着しているためなかなか手が出せませんでした。従って、FTSE100買いとDAX売りのポジションであれば、どのタイミングでも保有できると思い、両建てしてみました。
DAX : -3,800円
FTSE100 : +2,100円 (配当相当額700円含む)
損益としては少しサヤが開いてきていますが、FTSE100は年間50回の配当金(1枚で約28,000円)貰えますので、配当金を含めるとサヤが縮まってくるかなと期待しています。
配当落ちを考慮してもFTSE100は右肩上がりで伸びていますので。
また、片張りですとレバレッジ10倍は高いので抑える必要がありますが、DAX売りでヘッジしているのでそこまで運用に支障をきたさないかなと思ってます。
FTSE100とDAXのサヤが閉じたら利益が出ますが、万が一大きくサヤが開いてしまったら両建てポジションを増やしていこうと思っています。
まとめ
株価指数CFD取引は配当利回りが高く、さらに毎月配当金が受け取れるため魅力的な投資先となります。しかしFTSE100の片張りですと、十分に証拠金を用意しておかないと経済危機等によってロスカットの危険性があります。そこで、FTSE100とDAXを両建てすることよって、下落リスクを抑えながら配当金を享受出来ることがわかりました。
株価指数CFD取引に取り組む価値はあるかと思いますので、検討してみてはいかがでしょうか。
株価指数CFD取引の詳細については下記にまとめています。
以上、「高配当CFD取引のFTSE100はDAX売りでヘッジする」でした。